スタジオレイナパークコラム
有酸素運動は体に悪い?健康作りの新常識
有酸素運動といえば、体に良いものとしてこのコラムでも幾度となくご紹介して参りました。しかし、近年の研究からそれは逆効果かもしれないと指摘されるようになってきました。なんと有酸素運動は条件によっては健康を損なう因子にもなり得るというのです。アメリカ心臓学会の研究によれば、マラソンを完走することが心機能不全に関連していると結論付けられています。健康のためにマラソンをしている人は多いと思いますが、びっくりしてしまうようなお話ですね。今回はこのようなリスクを減らし有酸素運動を健康に繋げるための仕組みとポイントをお伝え致します。
有酸素運動のメリット
なぜ酸素を取り入れることが健康につながるのでしょうか?有酸素運動のメリットは心肺機能の向上や冠動脈疾患のリスク減などいろいろありますが、酸素が体内の「ミトコンドリア」を活性化させてくれるのが一番の特徴です。人がエネルギーを作る方法は、無酸素運動などの「解糖系」と有酸素運動などの「ミトコンドリア系」の二つに分けられます。ミトコンドリア系がエネルギーを作り出す効率は解糖系の約18倍。ミトコンドリアは健康を支える縁の下の力持ちです。
特に大人になればなるほど(つまりは老化なのですが)、有酸素運動でミトコンドリアを活性化させる必要があると言われます。なぜなら、老化による影響でミトコンドリアが活性化されず解糖系が優位になってしまうと、からだが低体温、低酸素、高血糖の状態に陥ってしまうからです。その状態が続いてしまうと、ホルモンバランスの乱れや不妊、さらには糖尿病やがんなど大きな病を引き起こす可能性があると言われています。もう一度言いますね「歳を重ねるほど、健康維持のために有酸素運動でミトコンドリアを活性化させる必要がある」のです。
有酸素運動は適度に行う
こんなに体に良い有酸素運動が、体に悪影響を与えてしまうものへと変貌してしまうポイントは、有酸素運動が度を越えてしまうことです。体内に取り込んだ酸素のうち2%は活性化します。つまり母数が増えると、たかが2%が無視のできない2%へと変化してしまいます。そうです有酸素運動はたくさんしすぎると「活性酸素」を増やしてしまうのです。活性酸素は「からだがエネルギーを作る際に発生する副産物」ですが、実は老化や病気を招く原因にもなりうるのです。「がんや動脈硬化などあらゆる病気の90%の原因にふくまれる」とも言われています。活性酸素がからだにたまりすぎる過度な有酸素運動は避けなければなりません。
それでは、「適度」な有酸素運動の目安はどのようなものでしょうか。
結論から言うと、運動量の目安はありません。人によって心肺機能のレベルが異なるので個々にその目安は変わるのです。心肺機能が低い人にとっては軽いウォーキングでも十分、心肺機能が高い人にとってはもちろんそれでは不十分となります。自分の心肺機能のレベルによって、適度な有酸素運動の目安は決まるのです。
1:短時間でいい
目的にもよりますが、細胞活性の観点から健康になる為には、長時間の有酸素運動は必要ないと考えられています。老化や原因の原因となりうる活性酸素を蓄積しないことが目的です。10分程度の運動でも十分効果はあります。
2:息が弾むくらい
短時間で行うからには、その強度は大切な要因です。心肺機能のレベルによって個人差はありますが、目安としては「息が弾む程度」。ニコニコペースで息が切れる手前の負荷が大切です。
3:楽しく感じるけれど「ハイ」になる前に止める
運動は楽しみながらする方が脳活性には効果が高まります。しかしながらランナーズハイのような気分が高揚している状態は、実はからだにとっては良くないと言われてます。ハイになっているとき脳からは「ベータエンドルフィン」という物質が分泌され、からだはストレスを感じないよう「麻痺」してしまっており、過度な運動をいつまでも続けてしまうのです。
体に良いと思ってしていた運動が、実は体を錆びつかせ病気の要因を作っていたなんてびっくりですよね。スタジオレイナパークでは有酸素運動の適切な行い方をお伝えしています。体は細胞の集合体です。細胞を活性化することを意識することで、若々しく健康な体を作りましょう!
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