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スタジオレイナパークコラム

産後は骨盤底筋群のケアをしよう

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産後ケア豆知識骨盤補正

産後は骨盤底筋群のケアをしよう

崩れるボデイイメージに悩む産後女性

産後女性であれば「体型変化」は誰もが気になるところでしょう。

 

ある調査によれば、産後に体型が変化した人は7割であり、そのうち出産前の体型にもどりたい人は8割を超えています。産後女性は「体重が減らない」「洋服がはいらない」などの理由でショックを受ける場合が多く、さらに体型の変化に悩みだすのには、まわりの人の指摘が影響していると言われています。

 

出産してしばらく経つのにお腹が出ていると、このポッコリお腹は一生治らないのかと不安が加速し、慌ててベルトやガードルを買うなどの代替療法に頼ったり、筋トレなどのハードな運動を始めることも多いのではないでしょうか。

 

産後ダイエットをする前に知ってほしい!あなたの骨盤内は大丈夫

最近では出産後もスリムできれいな芸能人と自分自身を比べ、ギャップに悩む人もいるそうです。崩れるボデイイメージの恐怖から、行き過ぎた食事や筋トレに励む産後女性も少なくありません。

「腹筋しているのに全くポッコリお腹が戻らない」と嘆く産後女性は多いですが、無謀な筋トレはかえって身体の不調に進展してしまう危険性があります。

 

産後に「ポッコリお腹」になる原因

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ところで、産後はどうしてポッコリお腹になってしまうのか、その理由をご存知ですか?

産後のポッコリお腹の正体、それは「骨盤底筋群のゆるみによって内臓が下がること」が原因です。

 

骨盤底筋群とは骨盤の底にある筋肉であり、ハンモック状になって子宮や膀胱、腸などの内臓を支えています。

 

女性は妊娠すると、赤ちゃんを出産する準備のために、骨盤底筋群が自然にゆるんでいきます。そして、出産時に赤ちゃんを押し出すために、この筋肉は約4倍にも伸びきってしまいます。さらに、出産の際には骨盤底筋群を支配している神経が損傷し、骨盤底筋が収縮できずにゆるみっぱなしの状態になってしまうこともあります。その結果、内臓の位置が下がり、「ポッコリお腹」という目に見える状態になっているのです。

 

骨盤底筋群のゆるみは障害!?「ポッコリお腹」以上に見逃したくない

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体型変化を伴う美容上の問題は女性にとっては切実な悩みですが、それ以上に注目すべきことは、尿失禁や子宮脱、骨盤周囲の痛みなど身体の不調へ移行してしまうことなのです。実際、尿もれに悩む産後女性は多く、産後数年を経過しても改善されない深刻な尿もれに悩んでいる女性もいます。

 

出産は、交通事故にあったと同じくらい骨盤に衝撃を与え、大きな負担がかかります。この骨盤の状態を理解しないまま、体型の問題ばかりがクローズアップされ、腹筋などを闇雲に努力してしまえば、かえって傷ついた骨盤底筋を悪化させる場合があるのです。

 

ポッコリお腹への対策 ~産後は積極的に骨盤底筋群を鍛えよう~

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ほとんどの場合、妊娠や出産の自然現象として起こる骨盤底筋群の傷は産後1ヶ月程度で自然に治ります

しかし、傷が治った後もゆるみは改善されていません

さらにこの状態に、猫背などの姿勢の悪さや骨盤の歪みが加わると、靭帯が元通りにならず、ゆるみが残ってしまうことがあります。この状態が放置されると、前述したように尿失禁や子宮脱、直腸脱などの女性特有の症状を招いてしまうことがあります。そのため、正しい姿勢を心がけるとともに、日常的に骨盤底筋群を鍛えることが重要と言えます。

 

産後に腹筋を頑張ってはいけない理由

では、具体的にどのように骨盤底筋群を鍛えたらいいのでしょうか?

この説明に入る前に、なぜ産後に腹筋を頑張ってはいけないのか、その理由から押さえていきましょう。

 

一般に、腹筋を行うと、寝た姿勢から起き上がる際に腹部中央に圧力がかかるため、その結果、骨盤底に大きな圧が加わり内臓が押し下げられます。このような動作を骨盤底筋群が弱くなっている産後女性が行うとどうなってしまうでしょうか?

 

この理解を促すために、水風船をイメージしてみてください。

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水がいっぱいに入った水風船の中央を手でギュッと締めると、水風船内の水は上部と下部に移動し、ひょうたんのような形になります。しかし、その水風船の底が弱くなっていたら、どうなってしまうでしょうか。底のゴムが破れ、水風船内の水が溢れ出ることが容易にイメージできるかと思います。

 

この原理を踏まえながら、骨盤内部の安定性が低下した産後女性が腹筋をすることを想像すれば、内臓が下がって腹がポッコリするだけでなく、骨盤底筋群がさらに損傷し、尿もれや子宮脱などのマイナートラブルを引き起こしてしまう危険性が十分に理解できるかと思います。

 

腹筋をする前にゆるんだ骨盤底筋を鍛えよう!

我が国では、産後から退院するまでの間に、骨盤底筋群の回復を促すための運動が指導されているはずですが、退院後も積極的に骨盤底筋群のケアをしている人は決して多いとは言えません。

 

日本では開いた骨盤をしめるという認識は広まっていますが、残念なことにゆるくなった骨盤底は骨盤ベルトだけでは戻りません。戻すにはトレーニングが必要です

 

ここでは、骨盤底筋群の強化に効果的な「ケーゲル体操」をご紹介します。

 

【寝たままでできるケーゲル体操】

手順(1) 仰向けになり、足を肩幅に開いてひざを立てる。

手順(2) 身体の力を抜いて息を吸いながら肛門、膣を胃のほうに吸い上げるようなイメージでおよそ5秒引き締め、力を抜く(5回繰り返す)。

手順(3) 肛門、膣を速いテンポで締めたり緩めたりする(5回繰り返す)これを1セットとして3~10セット繰り返します。

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骨盤底筋群を鍛えていけば、内臓が正しい位置に戻り、下腹部に脂肪をつけにくくすることもできるため、ポッコリお腹の解消にもつながっていきます。適切なケアを行いながらゆるんだ骨盤と筋肉を整え、健康的で女性らしい身体へと作り上げていきたいですね。

 

さいごに

「出産はゴールじゃなくて、スタートなんです。赤ちゃんを産んだ瞬間から、自分の身体が思う様に動かないのに(骨盤がばーんて開いて中から人間を出したあとだよ!)、赤ちゃんのお世話でおやすみないんです。ホルモンも神経回路も筋力も骨もすべておかしくなっているんです。」

 

「ほんとに健やかなことは、無理して体重落としたり、ムキムキになったり、幸せと思い込もうとすることとは全く違うところにあるよ。自分で身体動かして仕組みを理解して簡単に手に入れることができるんだよ。」

 

「変化を楽しみ受け入れ、さらに充実させるには知識も知恵も必要だとつくづく感じます」

 

一般社団法人体力メンテナンス協会は、協会理事のこんな熱い思いとともに、産後ケアの普及に情熱を注いでいます。産後の女性に必要なこと、それは「体型を戻す」ことではなく「身体をつくり直す」ことであり、身体の声に耳を傾けて自身をケアできる知識と技術なのです。

 

スタジオレイナパークでは、バランスボールを用いたエクササイズセルフケアの方法をお伝えしているほか、協会認定骨盤補正師による骨盤補正の施術も受けられます。全ての産後女性が自分の身体に責任をもち、健やかに過ごせられることを願っています。

こんな方におすすめです

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    妊娠・出産による
    体調不良にお悩みの方

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    筋肉ではなく
    「体力」を鍛えたい方

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    最近なんだか
    元気が出ない方

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